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2013年 07月 19日
接点/contact point
今年は移動の夏になる。

遠征の順序としては、週明けから、九州・ロンドン・北海道(二往復)・インドネシアを8月末までにすませ、そしてその後もまたおなじ目的地を数クール巡ることになる。いままでも昨年末あたりから海外遠征が重なっていたため文字通り心身ともに地に足が付かない状態だ。

全て仕事のための旅行とはいえ、その業務内容と訪問先がことごとく異なるのは楽しく、またそれは好奇心や気分の高揚を維持するための糧にもなる。

飛行機が指定のスポットに停止し、ブリッジが機体に接続される。やがて僕らは空港ターミナルへ吸い込まれ、さらに目的地へとそれぞれのやりかたで滑らかに侵入してゆく。考えてみれば、出発地でカバンを閉じ、そして目的地でそれを開くまでの間は、空港と都市を結ぶ地上交通、空港ターミナル、飛行機の中と、ぼくらの躰の旅の経験は概ね屋内空間の中にある。以前にシンガポールの建築家の友人と話していたときにも話題となったのだけれど、結局都市にあっても旅行者の活動(消費と移動)の大半は屋内空間において賄われるわけだから、やり方次第では一度も屋外に躰を晒さずに世界一周をするなんてことも可能かもしれない(だからなんなのだといわれても困るけれど)。

そうやって実際には限りなくシームレスに世界(という広大な屋内空間)を経験している現代の僕らは、だからこそそれへのカウンター・バランサーとして(ここしばらく賑やな領土防衛論や愛国などの)「境界にナーバスな社会」を求めるのかもしれない。まあでもきっと、この「境界神経症的ムード」が醸成されるのはそんな創造的な理由からではなくて、あいかわらず「マスメディアがそう言った」ことを愚直に信頼するこの国の素朴な僕らが実にあっさりと「悪用された恐怖」の上で動揺させられているだけという、退屈な事情によるのだろうけれど。

なんてことをだらだらと夢想していると、飛行機ではよく眠れるものです。

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Tokyo, Japan
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# by Em_garden | 2013-07-19 15:41 | 日記的メモ
2013年 01月 15日
書物たち/books
それほどの読書家ではないけれど、本は読むほうかもしれない。
付き合う本達にはいくつかの分類が可能で、それぞれに振り分けられた本達の「現時点での」価値も異なる。

1)風呂本
これは一日の終わりにじっくりと、その日の世界を復習するための書物。自分の世界との向き合い方をリセットするためのものが中心だけれど、ジャンルは問わない。震災と原発事故以降の、この国の奇妙な政治的漂流の時間が続いているここしばらくは、N・チョムスキー、P・ヴィリリオ、安部公房らのメディア批評や社会批判をぬるま湯に浸かりながら読む。面倒な世俗を忘れ自分を取り戻したいときには、J・L・ボルヘス。

2)便所本
短編のほうがいい。文字通り、「糞切り(ふんぎり)」がつきやすいのだ。もう長いこと水木しげる氏の短編集を持ち込んでいる。水木氏の場合は貸本時代のストーリー漫画も便所的に心地よいけれど、岩波新書でシリーズ出版された「妖怪画談」や「妖精画談」なども、見開き毎に完結した内容なので便所読みに馴染む。同様に見開き完結型では、原広司氏の「集落の教え100」も優れもの。なにかを一つ捨て去る毎に一つの集落的教訓を厳かに身に沁みさせるのも、清々しい作業だ。

3)カバン本
いつも持ち歩く本のこと。じつは、ここには3通りの本がある。一つは、いつも積極的に手に取り読みたくなる本達(定番的愛読本)。二つ目は仕事やプロジェクトの参考として「軽めの(ノートに書き写しながら読まなければならない訳でもない)」宿題的読書のための本達。そして三つ目は、いまは忙しくて読めないけれどいつか読んでやらねばといつもカバンに忍ばせている罪悪感にまみれた本達。初めの二つについては、ここ数年は金子光晴氏の著作一辺倒だ。昭和初期に欧州から東南アジアを流浪した旅行記は極上の日本語で綴られており、優れた感受性で拾い集められた「アジアの質感」は、どれほど発展し見かけの姿がかわろうとも変わることのないアジアの悲しさそのものだ。氏の「絶望の精神史」は、いまの日本の状態を歴史的に再確認するためにも鈴木大拙師の「東洋的な見方」とセットで読むべき良き風呂本でもある。三つ目の「いつか読むぞ本」は次のデスク本とも重なる。ともあれ、このカバン本は軽量であることが重要。基本的に文庫本か新書、単行本であれば小型のものを携帯する。

4)デスク本
主として仕事・プロジェクトのための参考資料的な真剣読みの書籍。気になった本はその場で(できるだけ迷わずに)アマゾン購入することにしているので、とくにプロジェクト構想時の躁状態の時期にはバンバン書籍が送られてくる。ところがそんなに優雅に読書に時間をかけられるはずもなく(また自分の読書速度ものんびりしたものであるため)、デスク上にはジャンルも滅茶苦茶な多種多様の本達が「罪悪感の塊」として積み上げられることになる。いつの日か読書のためだけに超長期の休暇を取ってやると思いながら、実行できた試しは一度もない。でも、いよいよ今年あたりには、そうやって自分を開拓するために引きこもる時間もつくってみなければと考えている。

5)本棚本
これは既に読まれ、あるいはまたこれから再度開かれるかもしれない本達。控え選手的な位置づけ。

6)書店本
まだ出会ってすらいない本達。うっかり書店を覗いたりするとまた読める時間を顧みずに大量購入の暴挙に出てしまう恐れがあるため、最近は意図して書店には立ち寄らないことにしている。でも、そういう情報鎖国的な姿勢もけっしてよいものではないだろうから、なにかしら書店の訪れ方を工夫してみなくてはと思っている。

と唐突に本の話をはじめてみたのは、最近また面白い一冊との出会いがあったから。その話は、(たぶん)またいつか気の向いたときに。


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Yokohama, Japan
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# by Em_garden | 2013-01-15 00:11 | 日記的メモ
2013年 01月 10日
新年/new year
新年 new year

仕事始めの出だしから、食あたりで数日寝込んでいた。。。
スタートでいきなりコケた気分だけれど、とにかく横になるしかない数日だった。
冷え込みが厳しいと予報されていたはずの月曜の朝に妙に暑いなと感じて起き出したのが始まりで、その後順当に酷い胃もたれと腹下し、そして急激な発熱が襲ってくる。妻曰く、その原因は、加熱して食べるべき上級のソーセージを前日にバリバリと生で食べてしまったことだそうな。ノロやインフルではなかったことは幸いだが、とにかく体は辛い。


(以下、食事中には読まれない方が無難かも)
まだ今回は「食あたり」のレベルだからなんとか今は復活しているものの、これがもしも本格的な食中毒だったらと考えると背筋が凍る。

かつてシンガポールの大学で教えているときだったが、学生達に誘われて「郷土料理」なるものを食した時はひどかった。昼食で訪れた大学近くの屋台で食したのは海産物のごった煮のようなもので、結構うまいねとバクバク食べてしまったのだが、実は多少なま焼けの部分があったことも軽く気にはなっていた。そしてその日の夕方より、地獄の一晩を経験することになったのであった。

はじめは胃に軽い膨満感を感じる程度だったのが、気づけば胃を雑巾のように絞られるがごとき激痛に変化している。もうこの時点では訳もわからずベッドに横たわっているのだが、同時に下腹が不穏な音響を奏でだし下痢が開始される。このときの滞在は豪奢な教員用マンション(余:ジェームス・スターリング設計)で、バスルーム(トイレット)が二カ所あるのを幸いに、器用にも一つを「上用」もう一つを「下用」の排泄場として使い分けていた。とにかく横たわることしかできない状況下で唯一おこなえたことは、痛みが襲来する周期の観察くらいだったが、おもしろいことにそれは(なにか意味があるのかと思うほど)正確に3分おきにやってくる。もちろん可能な限り水分を摂取していたが、それを上回るペースで消化管の上下開口部(口と肛門のこと)から水分が失われてしまう。仮住まいのマンションには固定電話はなく、また当時はまだ携帯電話も普及していなかったため、救急車や友人の助けを呼ぶこともできない。胃痛はやがて内臓全体を切り裂くような痛みへと進展しはじめる。この八方塞がりの状況下で、大げさにではなく死を覚悟していた。3分周期の痛みの波とは別にシチテンバットウということばの響きが単調に頭の中をリピートし始めた頃、ついに自分は悶絶失神してしまっていたのだった。

翌朝なんとか起床し(自分がまだ生きていることを確認し)、赤道の朝日の中を大学の授業へと這うようにして向かう。
同僚や学生達は、自分を見るなり不思議そうな顔をして「なんだか少し縮んだみたい」だと宣う。相当の脱水状態ではあったが、一晩にして身体のボリュームが縮んで見えるほどの事態だったことには驚いた。困ったのはその後の食事だ。食欲など湧くはずもなく、自分の食べたいもののヴィジョンをまったく描くことが出来ない。以降約2週間、素の粥のみで過ごしたのであった。旨い中華粥を食わす屋台が至る所でみつかることがわかったとき、ある意味ここが中華文化圏のシンガポールでよかったと思ったっけ。

とまあ、今回はそこまでは酷くないものの、まだ肉類には手を出す気になれない。大好きなアルコールですら飲む気になれないのも、残念。


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Nezu Shrine, Tokyo, Japan
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# by Em_garden | 2013-01-10 21:00 | 日記的メモ


    


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